2014年の秋華賞では三番人気ショウナンパンドラが1:57.0のレコードタイムを更新し見事に優勝。秋華賞開設以来18年レコードタイムとして君臨していたファビラスラフインの持つ1:58.1を1秒以上上回るタイム。第7回のファインモーションも同タイム保持していました。
優勝はショウナンパンドラが見事にもぎ取ったものの、7着までがこれまでのレコードタイムを上回る高速馬場での決着となり、2着1番人気のヌーヴォレコルトとはクビ差の接戦となりました。他よりもハナ差でも良いから先にゴールに入れば良い、そういったレースの性質上から競り合いになればタイムも伸びていくものなのでしょう。もしくは、全力の競り合いでなければ、タイムが伸び悩む、といったほうが正しいかもしれません。
そういった意味では、独走態勢を築きつつレコードタイムを叩き出すような馬は本当の化物と言えるでしょう。よしんばレースというものを馬が理解していたとしても、誰と競うわけでもない以上本当の意味で全力疾走などはしないだろうからです。
この年の秋華賞はラストの直線でも誰が勝つのか最後までわからない状況でした。実際にショウナンパンドラも最終コーナーを内ラチ沿いに周りストレートに抜けたところもまだ、前も外も馬群の中。辛抱強くインコースを取りつづけ、一瞬開けた前方に切り込んでの勝ちきりとなりました。もしも前が開くのを待ちきれず外に回っていたならば、その距離差でヌーヴォレコルトに負けていたような接戦です。
こういった、互いに切磋琢磨するようなレースこそがレコードタイムを生むのだと実感できる非常に良いレースでした。
さて、2015年の秋華賞へはどんな馬が出走し、どんなドラマを見せてくれるでしょうか。桜花賞馬レッツゴードンキか、オークス馬ミッキークイーンか、それらを下し前哨戦を制したタッチングスピーチか、はたまた昨年のショウナンパンドラのように、別路線から力を蓄えてきたクインズミラグロや、まったく予想もしないダークホースになるか。楽しみが尽きませんね。