巷では秋華賞に勝つのはローズステークス路線からにきまっているかのような口ぶりがよく目につきます。これまでの実績を考えれば当然の結論ではあるのですが、どうしても気になってしまうのが、一番参考にするべき直近のデータである昨年のレースを例外扱いしてしまうことなんです。
今まで紫苑S路線から優勝した馬はいなかった上に、その紫苑Sでも2着だったのに、本戦では3番人気に推され、結果見事に優勝を果たしています。その後はエリザベス女王杯、産経大阪杯、ヴィクトリアマイルとビッグレースに挑戦を続けますが成績も振るわず、人気も徐々に低迷するなか、宝塚記念では11番人気から3着へと大躍進。そして先日のオールカマーではヌーヴォレコルトを抑えて見事に優勝し、秋華賞馬のちからを魅せつけました。
紫苑Sから路線が決してフロックではなかったことを証明してみせたのです。このショウナンパンドラを皮切りに、紫苑Sからの路線が確立され、番狂わせではなくなったのだとしたら、今年のクインズミラーグロ、ホワイトエレガンスもまた一概に切って捨てるわけには行かないのではないでしょうか?
両馬とも、条件戦やOP戦とは言え近走では連対を外していない堅実なレースで、実力通りに勝ち進んできた証拠です。レースの格が違うため、着順が優秀だから同格というわけではありませんが、レースの格が低いから格下である、ということの反証とは十分になりうるはずです。
なにせ順当に自己条件で勝ち進んできた昇り調子の馬であることに間違いはなく、侮ってかかり、足元をすくわれては後悔しか残りません。過去の傾向だけでハナから切ってしまうのは早計かもしれませんね。