紫苑S勝ち馬ビッシュ考察 – 本番秋華賞では通用する?

秋華賞トライアルの紫苑ステークスが今年からG3に格上げされました。以前まではOPでの開催であり、2着までの優先出走権の付与でしたが、今年からは3着まで優先出走権が与えられるように併せて変更されました。

正直な話、秋華賞トライアルとしての紫苑ステークスの勝ちはこれまで著しく低く、ローズステークス路線からの勝ちが殆どで、唯一の例外が2014年のショウナンパンドラが紫苑S2着からの優勝。それ以外はほとんど用無しというのが現状でしたが、この変更で紫苑ステークスからの出走馬が単純計算で1.5倍になる見通し、それだけ馬券に絡む確率も増えるはずであり、馬券に絡まないというジンクスから出走を避けていたような陣営から有力馬の送り込みがされる可能性もあるかもしれません。

そして、栄えある第1回紫苑ステークスの優勝を飾ったのはビッシュ(美浦・鹿戸厩舎)。オークスではシンハライト、チェッキーノに次ぐ3着。チェッキーノが残念ながら屈腱炎により、年内は休養が発表されているため秋華賞には間に合わないため、このビッシュがシンハライト、ジュエラーに次ぐ人気を背負うことになりそうな気配。

ビッシュは3強を構成できるか?

桜花賞馬ジュエラー、オークス馬シンハライト。この2頭の強さがフロックではないということは今年のクラシック戦線を追って来た方ならばおわかりいただけることでしょう。

では、ビッシュがこの2頭に割って入り、3強を構成することができるかどうか?ここを考察していきたいと思います。

まず、夏前までの戦績から見るならば、オークスで3着に入り成績を残していることからも潜在能力の高さはかいま見えます。ここだけを見るならば秋華賞での上位争いに不安などあるはずもありませんが、問題は紫苑ステークスで勝利した内容です。

前述のとおり紫苑ステークスは歴史的に見ても秋華賞に直結するとは言いがたいトライアルレース。そのため相手関係もどうしてもレベルが落ちてしまいがち。そこで、紫苑ステークスの相手関係から秋華賞でのビッシュの位置取りなどを見ていきたいと思います。

まずは2着のヴィブロス。全姉にヴィルシーナを持つ期待の良血ですが春の重賞ではいいところを見せられず二桁着順の連続でしたが、夏に自己条件から再出発すると500万下を一発クリアし紫苑Sへ出走。この紫苑ステークスの出走馬レベルの診断なので、重賞2着といえども、ここでは取り敢えず本格化の兆しとさせていただきたい。

そして、3着フロンテアクイーンは春から勝ちこそないものの良いポジションで活躍している馬。クイーンカップではメジャーエンブレムの2着となり、フローラ賞ではビッシュより先着し、4着。オークスでも6着となっているが、春のクラシックで似たようなメンツとの競争が多い中着順を落としていることからも、成長が頭打ちという見方も出来る。

ヴィブロス、フロンテアクイーンと見てきたが、どちらも紫苑ステークスだから馬券圏内に入れたと取れなくもない戦績。やはりローズステークスの出走馬と比べるとレベルが1枚以上落ちる印象は拭えないです。出走馬中でのビッシュの力上位は間違いないものの、本番で3強扱いするには絶対的な後押しが足りないでしょう。

ローズステークスの展開次第では4番人気以下に?

今週開催のローズステークスではジュエラー、シンハライトによる前哨戦が繰り広げられます。まず間違いなくどちらかが勝ち、どちらかが負ける結果になります。この2頭の接戦であれば順当ということになりますが、どちらか、もしくは両方が飛ぶような事になれば秋華賞の予想は荒れに荒れることでしょう。

そして2頭が順当に上位決着したとしても、夏の上がり馬の台頭という可能性もあります。第3の馬の走り次第では、ビッシュの診断結果は4番以下になります。

重賞になっただけでは、紫苑ステークス路線の確立にはまだまだ時間がかかるだろうという印象。そのためにはこのビッシュの秋華賞での頑張りが不可欠なのかもしれません。

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